2019年09月09日
「項羽と劉邦」 司馬遼太郎
ここ3ヶ月猛烈に司馬遼太郎の本を読んでいる。今読んでいる「この国のかたち」で7冊目だ。
歴史とくに幕末好きなうーこにはたまらない。「人斬り以蔵」、「幕末」、「馬上少年過ぐ」とどれもおもしろい。
特に面白かったのは「項羽と劉邦」だ。
中国の秦が滅んだあとの天下を決める壮絶な物語である。
中国の話なので難しい漢字が多いし、登場人物も多いので敬遠しがちだが、司馬遼太郎の文章は読みやすくわかりやすい。
人物一人一人の性格、思想、土地柄の違いや文化の違いあらゆる説明があるのでなぜこのような行動に至ったのかすんなりと入ってくる。
例えば中国では家族(親)を大事にする。
そんなの日本だって当たり前じゃないかと思うかもしれないが、中国は度を超えていると思う。
内容を抜粋すると…
・始皇帝の遺言に"息子の一人扶蘇は自害するよう書いてあったが為に息子は親の言うことは絶対だと自殺する。(偽の遺言書だったのだが…)
・項羽は敵の親を人質にしておきながら殺せないでいる。
・劉邦は荷車が軽くなるように親を生かすために息子たちは降りるべきだと車から投げ落とす。
中国では親が絶対的な存在であるという価値観を知らなければこの話に入り込むには難しかったかもしれない。
司馬遼太郎の文章は淡々と読んでいられるので疲れないし、知らなかったことを知れる喜びもあるのであの分厚い本がいつの間にか読み終わっている。
あぁ、司馬遼太郎が見ている目線で世界を見てみたいなぁ。
そのためにももっともっと読むぞ!
yukoandmogu at 18:04│Comments(0)│本棚