2018年12月

2018年12月23日

「生きるぼくら」 原田マハ

生きるぼくら (徳間文庫)


先日、母に連れられ東山魁夷�展を見に美術館に行ってきた。

うーこは全く絵に興味もセンスもないのだが母は芸術の感性をもっているようでよく美術館に足を運ぶようだ。母は昔油絵をやっていた。フラワーアレンジメントもプロ級だし料理も店を出せるレベル。
(なぜこのセンス受け継がれなかったのだろうか...泣)


六本木の国立美術館に着くとチケット販売所には長い行列があった。日本の美術館というものは人気がなく閑散としているものだと思っていたが、そこには若い大学生だったり、親子だったり、1人できているおじさんやお友達同士らしいおばさまなど老若男女で溢れていた。


うーこは偽物の絵画でも写真で見てもどうせ本物と変わらないのだから美術館まで赴く意味がわからなかった。



美術館に入ってみるとまず大きさに驚愕する。
こんな大きなキャンバス見たことない。


また、東山魁夷の絵は年代順に飾られており、だんだんと絵の雰囲気が変わっていくのがわかるようになっている。




はじめは景色のみの絵画だったが途中から馬が登場するのだ。

そのなかでも有名な絵画が「緑響く」である。↓

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前振りが長くなったが原田マハさんの「生きるぼくら」の表紙にこの絵が使われている。

この景色は実際に長野県の奥蓼科にある湖である。この本の舞台は奥蓼科なのだ。



原田マハさんはキュレーター(美術品を管理する人)である。だから原田マハさんの作品にはよく絵画が使われている。


それではあらすじを紹介しよう。





◯あらすじ◯

人生という名の24歳の主人公はいじめにあってからずっと引きこもりだ。
部屋にこもってゲームばかり。母とは顔も合わさず母が毎日置いていくオニギリを食べて生きている。


ある日突然、母は年賀状を置いて家を出て行ってしまう。人生はその中から余命わずかと書いてあるマーサおばあちゃんの年賀状を見つけ会いに行こうと決める。


人生が困難に立ち向かい、どう変わっていくのか見てほしい。







◯感想◯

サクサク読めたが、内容が薄いわけではない。
引きこもり、母子家庭、認知症、介護、高齢農業など色々な問題がギュッと収められている。

米作りの一年を通して人生が変わっていく姿には涙が出ます。

米作り大変そうだけどやりたくなった。手伝いたいと思った。

田舎の皆で助け合うという精神が心温まります。こんなところで暮らしたいなぁ。(だけど田舎に住むには体力がないとダメかもなぁ。)


うーこは東山魁夷の絵画を見たあとだからこの本にまた愛着が湧いた。

この絵と本は一生忘れないだろう。



yukoandmogu at 14:01|PermalinkComments(0)本棚 | 日常

2018年12月22日

「まんじゅう怖い」 川端 誠




この間もぐおがうーこの職場までお迎えに来てくれた。

うーこを待っている間に駅周辺の饅頭屋でまんじゅうを買ったようだ。
まんじゅうの袋を持って満面の笑みで待っているもぐおはとてもかわいかった。



家に帰って袋を開けてみると・・・


まんじゅうの量の多いこと多いこと!どんだけ買ってんねん。(笑)

まんじゅう怖い状態だったわ・・・・






ところで「まんじゅう怖い」って話知っていますか?
落語で使われる話の1つです。


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暇をもてあました街の者が数名集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。「クモ」「ヘビ」「アリ」などと言い合う中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない。世の中に怖いものなどあるものか」とうそぶく男(上方では「みっつぁん」、後述のNHKでの番組では「テツ」)がいる。他の男が「本当に怖いものはないのか」と聞くと、うそぶいていた男はしぶしぶ「本当はある」と白状する。「では、何が嫌いなのか」と念を押され、男は小声で「まんじゅう」とつぶやく。男はその後、「まんじゅうの話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、隣の部屋で(あるいは、自分の長屋へ帰って)寝てしまう。

残った男たちは「あいつは気に食わないから、まんじゅう攻めにして脅してやろう」と、金を出し合い、まんじゅうをたくさん買いこんで男の寝ている部屋へどんどん投げ込む。目覚めた男は声を上げ、ひどく狼狽してみせながらも、「こんな怖いものは食べてしまって、なくしてしまおう」「うますぎて、怖い」などと言ってまんじゅうを全部食べてしまう。一部始終をのぞいて見ていた男たちは、男にだまされていたことに気付く。怒った男たちが男をなじり、「お前が本当に怖いものは何だ!」と聞くと、

「このへんで、濃いお茶が1杯怖い」。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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落語はオチがおもしろいなぁ。(だから語なのだが・・・)





そういえばもうすぐクリスマスだなー!
クリスマスプレゼント怖いなー
あー、怖い怖い。






yukoandmogu at 22:39|PermalinkComments(0)本棚 | 日常

「見知らぬ町ふしぎな村」 安房直子


安房直子コレクション 2冊目
15作品+エッセイ


作品名をすぐ忘れてしまうのでメモとして。


・魔法をかけられた舌
料理人の父親を亡くした息子。小人に魔法の舌にしてもらうが…


・空にうかんだエレベーター
満月の晩に少女とうさぎが不思議なエレベーターに乗る話。


・ひぐれのお客
ネコが生地屋さんに頼んだものとは?


・ふしぎな文房具屋
悲しみを消してほしい女の子がやってくる話。


・猫の結婚式
野良猫ギンの花嫁とは?


・うさぎ屋のひみつ
晩ご飯を配達してくれるうさぎの話。


・青い花
傘屋の話


・遠い野ばらの村
息子がいないはずのおばあさんのもとへ孫がやってくる話。


・秘密の発電所
カエルの発電所の話。


・オリオン写真館
サルの写真家の話。


・海の館のひらめ
一生懸命働く料理人がひらめと出会って人生が変わる話。


・ふしぎなシャベル
銀色のシャベルで穴を掘り続けると…


・海の口笛
穴のあいた布をのぞくと…


・南の島の魔法の話
翻訳家の男がうまく翻訳が出来ず煮詰まっていると…


・だれにも見えないベランダ
1匹の猫が大工さんにベランダを作ってほしいと頼んでくることから始まる話。





◯感想◯


エッセイの中にある安房直子さんの言葉

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p333

私は、どうしても「もっとしたたかになりなさい。やられたらやりかえして、取られたら取りかえしなさい。」と、教えることができませんでした。どんなに損をしても、正直でまじめなのが一番いいのだと、今、つらい思いをしていても、神様がちゃんと見ているよと、教えたかったのです。

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「海の館のひらめ」はこの言葉が作品に込められている。苦しいけれど頑張ったものは報われるんだと子どもの頃にどこかで学んだこの優しい心を取り戻せた気がする。



皆さんもホロリと優しい物語に浸ってみませんか?





yukoandmogu at 21:31|PermalinkComments(0)本棚 

「なくしてしまった魔法の時間」 安房直子

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安房直子さんの本との出会いは中学校の図書室。
めったに行かない図書室でキセキ的に出会えた本。



10年経ってもう一度読みたくなった。
しかし、一冊2000円!7冊セットで14,000円 (税込15,120円)!!簡単には手が出ない。
毎日のようにネットショップの安房直子の本を見ては購入ボタンを押すか悩んで値段見てあきらめて…を繰り返していたら、もぐおが2年前のクリスマスプレゼントに買ってくれた。ありがたや〜。

そのせいかクリスマスが近づくと安房直子が読みたくなる。
今年も読んだのでご紹介します。




◯あらすじ◯

短編の物語が11作品+エッセイ




・さんしょっ子
サンショウの木の女の子が初恋をする話。


・きつねの窓
教科書にも載っている作品。
青く染めた指で窓をのぞくと…


・空色のゆりいす
盲目の少女に空色の椅子を見せたいお父さんの話。


・鳥 
少女が耳のお医者さんにとってほしいものとは?


・夕日の国
魔法の薬を塗ったなわとびを飛ぶと…


・誰も知らない時間
「秘密の時間を分けてあげる」と亀から提案を受けた漁師の話。


・雪窓
たぬきとおでん屋の心温まるお話。


・てまり
お姫様と不思議な手毬のお話。


・赤いばらの橋
向こうの崖から甘い匂いがするので小鬼は向こう岸に行ってみると…


・小さいやさしい右手
魔物の子どもは少女にカマを貸してあげるが、そのカマで…


・北風のわすれたハンカチ
さみしい熊と北風のお話。







◯感想◯

改めて読んで気づいたことは、最後の安房直子さんのエッセイを読まずに今まで本を閉じていたこと!なんてもったいないことを!


安房直子さんの物語のすばらしさは文字しかないはずなのに目の前に情景がありありと見えること。色も匂いも味までも全て感じられるのだ。


こんなに素晴らしい物語をかける安房直子さんはすでに亡くなられている。もうこの世界観をかけるひとがいないと思うと1つ1つの物語時間をかけて大事に読みたいと思う。



ちょっぴり切なくて悲しくて、でもとってもやさしくて温かい気持ちになれるこの本をぜひ手に取ってもらいたいです。





yukoandmogu at 21:18|PermalinkComments(0)本棚 

2018年12月13日

「十二国記」 小野不由美




ついに、新刊出ることが発表されましたね!
それも12月12日、十二国記の日に!
(十二国記の日知らなかった〜)



学生の時に読んで8年も本編の続編が出るのを待ちわびていました。

他の方はもっと前から読んでいるとすると18年待っていた人もいるんですね。


生きててよかった。涙
新刊が出る日まで生きる希望です。



読み直すために全巻買ってきました!
小野不由美さん、ありがとうの意味も込めて。

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◯あらすじ◯

ただの高校生の陽子が異世界にケイキという男によって連れて来られる。剣1つ持たされ置いてきぼり。何もわからない陽子にたくさんの苦難やら魔物が襲いかかってくる。
陽子はなぜ連れてこられたのか?
陽子は生き延びることができるのか?




◯感想◯


うーこが短大生のときに図書館で見つけて読みました。あの頃は就活とバイトと学校と忙しいし、円形脱毛症になるわで辛い日々でした。



そんなときに十二国記に出会い救われました。
陽子の方が辛すぎる状況で、『陽子が頑張ってるからうーこも頑張ろう!』と心の中でいつも自分を励ましていました。


おかげで強くなれた気がします。



是非、みなさんにも読んでもらいたい!!
「月の影 影の海」は半分以上が辛い話の連続ですが、1匹のネズミに会うまで辛抱して読んでください笑 。


決して損はさせません!!







yukoandmogu at 17:58|PermalinkComments(0)本棚